この催しは終了いたしました、たくさんのご来庵ありがとうございました。

「子供の頃に心に残っている絵本は?」
「いま大切な人にとどけたい絵本は?」

「子供の頃に心に残っている絵本は?」
「いま大切な人にとどけたい絵本は?」


今回100人の方に2冊づつ大切な絵本を教えていただきました。「はじまりの絵本」では、その2冊を選んだ理由を記したメッセージカードと、その内どちらか1冊、計100冊の絵本を展示いたします。

メッセージの中には、幼い頃の「学び」いまも日々の暮らしの中でお持ちになっている「学び」のエピソードがたくさん詰まっています。それらメッセージはきっと催しに参加していただいた皆さんに「学び」のはじまりを思い起こさせ、日々の「学び」に共鳴を起こしてくれると信じています。 



寺におりますと毎日たくさんの方とお会いしてお話を聞かせていただく機会があります。そこからいつも気付かされるのは生きる事と「学び」との深い関係性です。いつも生き生きとされている方は例外なく学ぶ姿勢を続けている方で、それは悩みや苦しみが無いからではなく、その苦しみからも何かを学ぼうとする姿勢が、その方を生き生きと輝かせています。 

 
小さな子供が成長していく様子を、毎日近くで観察してみますと「学び」について多くの発見があります。生まれたての子供は五感を総動員して目の前にある全てから学ぼうとします。それは生きることに直結した「学び」です。
  私たち僧侶は、生きるもの全てが本来持っている本性である心、お釈迦様が悟りを開かれた心のことを「仏性」と呼びます。小さな子供が持つ「学び」を見ますと正にその心がそこにあるのではないかと感じます。
 
よく赤ちゃんや生まれたての動物はその愛らしい外見や無力さで周りの大人から情によって守られる存在であるように言われますが、その曇りのない「学ぶ」姿勢が見るものに傷つけられない尊敬の念を与えることも守られる理由の一つなのではないでしょうか。 
そんな子供もだんだんと言葉を覚え社会の仲間入りをしていく中で知恵が付き、学びにも優先順位をつけ必要不必要と分別し選択するようになります。こうすることでより多くのことを効率良く学び成長をしていくわけですが、現代多くの方から悩みや苦しみをお聞きする中で、この小さな子供の頃に誰もが持っていた、物事を区別したり優先順位をつけず、目の前にあることから学ぼうとする姿勢こそが、それら悩みや苦しみに対する一つのヒントになるのではないかと感じています。 


絵本は、子供の時に多くの方が親や周りの大人に読んでもらった経験があるのではないでしょうか。絵本は子どもが読むだけではなく大人が読み聞かせることで体験を共有することができます。そこには豊かな言葉、絵、物語が詰まっています。ページをめくるたび新鮮な驚きがあり、何度も何度も同じ絵本を読んでもらうたびに新しい気づきがあります。絵本から学ぶのは子どもだけではなく、読み聞かせている大人も、見落としてしまいそうなことに反応し、そこから新しい物語を作ってごっこ遊びにつなげていく、そんな子どもの枠にはまらない自由な心に教えられることも多いでしょう。 

絵本は、笑って泣いて怒って…自分の中に起こっている気持ちが色々なものにあって、心の世界はどこまでも広く自由だと教えてくれます。 


禅居庵 副住職 上松正宗